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Columnコラム

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キャッシュレス派が思うこと

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「現金をなくして、完全キャッシュレスな世の中にしてほしい。」
ここ数年、キャッシュレス決済が進むにつれて、私はそう考えることが多くなった。

買い物をするのに財布を持って外出するのは非効率で面倒なだけで現金はATMに並んで引き出す手間や、買い物の精算時にも時間がかかる。
小銭は多くなるとかさばって重くなるし、最悪の場合には紛失するというリスクもある。

キャッシュレス決済なら現金を使う必要がなく、スマートフォンさえあれば財布を持つ必要もない。ATMにわざわざ並ぶ必要もないし、会計の際も準備をしておけば一瞬で終わる。
紛失の際もスマートフォンなら位置情報で端末検索も可能だ。

こう比べてみても現金にはデメリットしかなく、キャッシュレス決済にはメリットしかないようにも思えるが、未だに現金主義が7割以上というのが日本の現状。
5G化も進み、便利な世の中になったというのに何故、ここまで浸透しないのか。

理由が様々ある中で、一番の要因は「高齢化社会」におけるものだと思っていたが、それだけではないことに気づく出来事が先日あった。

それは、久しぶりに友人と昼食に行ったときのこと。
「まとめて払うから2千円頂戴」というので、割り勘分の金額をそのまま渡すとクレジットかバーコード決済で払うのかと思いきや、私のお金と友人のお金を合わせて、そのまま現金で支払っていた。
当たり前の行動ではあるのだが、IT関係の仕事をしている友人が未だに現金主義ということに疑問をもったのでその理由を聞くと

「現金じゃないと管理がしづらいからついつい使いすぎる」
「財布にお金を沢山入れておいたほうが安心感がある」
「クレジットやスマホ決済はなくしたときのリスクが大きすぎる」

という答えが返ってきたが、これは

「カードなら決済情報が残るから管理がしやすい」
「財布に沢山現金を入れておくと不安」
「クレジットやスマホ決済はなくしたときに履歴やロックがかけられるから安心だな」

という自分の考える部分と真逆であり、捉え方一つでここまで変わるのかと驚きを隠せなかった。

この考えに共感を得てもらいたいと思い、この話を家族にすると私の考えの方が変だよと言われてしまい、私が「マイノリティ(少数派)」であり、友人が「マジョリティ(多数派)」であることに気がついた。
そしてこの時から、私の中で「完全な」キャッシュレス社会になればいいという考えはなくなった。

それは、日本人の保守的な国民性や現金が誰でも使える決済手段である以上は変わる必要はなく、選択肢として「キャッシュレス決済」があればいいのではないかと思ったからだ。
これからも変化することなく、堅実に安定を保つ。
多数派でいることがやはり一番楽であり、それ以上のものは必要ではないのである。

だが、それでも私はキャッシュレスを使い続ける。
そして様々なことに柔軟に対応していくことが出来るようなそんな強い信念をもったマイノリティ人間であり続けたいと思っている。