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Columnコラム

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なぜ歩きタバコはなくならないのか

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先日、タバコが値上げされるというニュースを見た。

タバコの増税に伴い「セブンスター」や「ピース」などは570から600円、「メビウス」が540円から580円になるらしい。
私は非喫煙者なので関連のあるニュースではなく、単純に値上げすれば吸う人も減るのだろうと思っていたが、喫煙者の友人Aに聞いてみても「少し値上げしてもどうせ吸うからなー」とそこまで気にしていないようだった。
「1000円になったらやめる」と言っていたものの、少しずつ値段を上げることによって喫煙者の感覚は鈍っていくのだろう。実際そうなったとして計算すると1箱に20本入っているので、1本あたりでカウントすると1本50円。
「1000円だと1本50円、600円だと30円か」と改めて高級品だなと思っていたのだが、友人Aが「休憩で一回缶コーヒーを飲みに行くより安いからなー」と言っているのを聞くと妙に納得してしまう自分がいた。
また、一方で非喫煙者の友人Bは「高くなったからといって、食事を制限してまでタバコを優先する人はおかしい」と喫煙自体はそこまで否定していないものの、タバコの優先順位を高くしてまで他のことを制限することに疑問を持っていて、「タバコをどれだけ買おうが、どれだけ吸おうが構わないけど、他人に迷惑をかけるのはやめるべき」と語っていた。

私も嫌煙とまではいかないものの煙自体が基本的に苦手なので友人Bに同調する部分はあった。
マナーを守り、喫煙所だったり指定された場所で吸ってる人は好きにすればいいし、体に害があろうと自業自得ではあるのだが、他人に迷惑をかけるとなると話は別だ。

それの最たる例が

「歩きタバコ」

だろう。その光景を私がよく目にするのは通勤時だ。
家から最寄り駅に着くまでの経路は、住宅街で人通りも少ないが、小学校と中学校に挟まれたあとに図書館が続く道があり、そこで何も気にせずタバコを吸いながら歩く人をほぼ毎日のように見かける。
私自身が煙を被ることはそこまで抵抗はないのだが、小学校中学校が近い分、児童が通行することを考えると歩きタバコをしている人物の他人への配慮のなさというものは異常だ。
少し考えればわかると思うが、タバコを持った手の位置は幼児の頭部と一致する。
すれ違いざまにタバコが子供とぶつかったらどうなるか。これを考えられない時点でタバコを吸ってはいけないと思っている。

なぜ、ここまで歩きタバコをする人間が多いのか。
その理由は、

「犯罪ではないからいいだろう」

という面目が出来てしまっているからではないかと思う。
歩きタバコをする人間にとっては吸って人に迷惑をかけるリスクより、自分が吸うことによるメリットのが大きい。
日本の法律がそうなっているのだから仕方がないのだが、非喫煙者からして見るとデメリットしかないのはおかしい。
「昔と比べると吸える場所がなくなってるんだよ」という気持ちもわかるが、吸わない人からすると「こっちは落ち着ける場所すらないからな!」と反論したくなる。

今の日本の法律では、地域によっては「過料」を取られるだけで大体の地域は何も処罰はされない。
先日の五輪のマラソン中継も沿道には大勢の人間が集まっているのを見たときも、日本という場所は表面上は綺麗に見せかけているだけなんだな……とがっかりしてしまった。

マナーを守っている人間が損をするのは今も昔も変わらないことで、もどかしいところであるが、マナーを守っていない人間が得をするのではなく、きちんと守っている人が得をする世の中になってほしいものである。