アナログの時代 その2(新手法によるグラフィック制作)

特集 小野田 2017/06/16
reimeikan

先日、久しぶりに鹿児島に行ってきた。

平成7年に鹿児島県の歴史資料センター“黎明館”の全面リニューアル時に
造形会社様よりグラフィック制作の仕事を受け、展示パネル・キャプションに至るまで
デジタル制作、デジタル出力(一部アナログ)と言う当時前例の無い、
デジタルという新手法によるグラフィック制作を手掛けさせていただいた。

今回20年ぶりの確認作業になったがどれひとつとっても劣化せず、
これは現地展示環境にもよるものだが制作当時のままのクオリティを保っていた事に
今さらながら驚いた。

写植版下があたりまえだった時代に、漢字トークと呼ばれる
MacのOSで走るマシンでデザイン制作(イラレ、クオーク合体作業)をし、
アイリス(ピクトリコ)と呼ばれる大きなドラムに出力紙を巻きつけた状態で印字する
デジタル出力機で出力制作、表面にラミネート処理をほどこし、
特注のハニカム構造のアルミ板に圧着してパネルにしていた。

Macによる制作作業もカラー処理工程から画像補正、切り抜き技術等、
スタッフの集中力とセンスなしでは到底不可能な長時間に及ぶ難儀作業、
また出力物のアイリスは水分厳禁で
印字面につばが飛んでも色が散ってしまうほどデリケートなもので
工場製作のスタッフにものすごい手間と労力をかけさせてしまった事を思い出す。

今考えれば当時の技術力は間違いなく国内有数のものと自負する事ができる。

アナログ制作があたりまえの当時、なんの保障も確証も無いデジタル制作物だったが
物証として現存することはまぎれも無い事実で当時のソリューションとしては大成功だった。

デジタルが当たり前の現在、今の技術環境ではさほどたいへんで無い事を鑑みると
20年の重さとテクノロジーの進歩を再確認すると同時に
レガシープロジェクトの記録を辿る事の責任を痛感する旅でもあった。

 

鹿児島県歴史資料センター 黎明館

〒892-0853 鹿児島市城山町7番2号

WRITERこの記事の著者

出身:東京都文京区
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座右の銘:目的を見つければ手段はついてくる

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